草刈りはとても大切だということがこの1年で学んだこと。
このヴィンヤードは生物の宝庫である。生態系のバランスが保たれているように見える。
草といっても、また種類が多い。盛りを過ぎると自然と消えていき、次の草が現れる。


私は基本的には草を刈りたくない。生物を見ていると、とても彼らの生息圏をなくすことには心が痛む。ただここはブドウを優先して栽培しないといけない。葛藤だ。
そこで私はこんなことを心がけている。
1.草は刈り過ぎない。
馬力のある草刈り機で、草を刈ることに集中すると、そこには何もなくなってしまう。
草を刈るのは、馬力のない草刈り機で選びながら草を刈る。丈が伸びている、あるいは伸びそうなものを中心に草刈り機を入れる。ナナホシテントウの蛹がついている葉は残す。地面から高さを残して草を刈る、というよりは枝を切る。ゆっくりと草刈りをすると、バッタや蝶、カマキリやテントウムシなど、生き物たちが逃げていく。これが狙いだ。彼らの命を奪うつもりはない。

2.虎刈りにする。
苗の周辺はどうしても草が生えやすい。しかしここをとことん刈ると、虫たちがブドウの葉をめがけてやってくる。なので、刈る場所を交互にし彼らの生息圏を残す。

草は虫の住処であり餌場だ。草があることでブドウの葉への被害が軽減される。昨年は根本からしっかりと草刈りをしたため、ブドウの葉が虫食いの被害にあった。今年は現時点で葉はほとんどきれいだ。生物にはきちんと生態系のピラミッドがある。できるだけ自然の慣しに委ねることでブドウの苗たちを生かす。

これがうまくいけば、害虫駆除の農薬散布を避けられる。そのためには丁寧に1本ずつ苗の様子と草たちの様子を見ることが必要だ。なんとも手がかかる。効率や費用対効果を重視する昨今の世の中の動きとは逆行するが、長期的に広い視野で考えると、そのほうがメリットがあると私は考える。ブドウはやがては私たちのワインになり胃袋に収まる。自然にない化合物をできれば体には入れたくない。
今年はどうなることか。虫よりも怖いのが菌類だ。その話はまた別の機会に。